家リア充化計画 (家を売る買う作る)

田舎の実家。「相続」か「放棄」か

以前とは事情が変わった!
事前に考えておくべきこと

肉親を亡くし、実家を相続する機会がやってくる人が、事前に考えておくべきことがある。

10年、20年前ならば都心から1時間30分、または駅からバスで30分という立地でも借り手がついた。だが今はそういった場所に借り手がつかない時代だ。

借りてがつかないと
・固定資産税
・維持管理コスト
がかかるだけになり、持っているだけで損をします。

処分するにしても、空き家の取り壊し費用などを負担した上
最悪無料で引き取ってもらうしかない現実が地方の田舎のみならず
首都圏でも迫ってきています。

70-80年代に団塊世代が多く暮らした、かつてのベッドタウン、都心から30kmくらいのところにある
交通が不便な地域。神奈川県の相模原、千葉県の柏、埼玉県の大宮といったあたりでも借りてや買い手が
つきづらい状況になってきています。

こういった場所は団塊世代が一斉に移り済んだので、住む人がいなくなる時期も一斉にやってきます。こういった場所に不動産を所有している人は、も待ったなしの状態といっていいでしょう。できる限り早く売った方がいいでしょう。

心理的抵抗もあるでしょうが、自分が済んでいない物件をもっているのなら、一刻も早く売ってしまうというのが基本セオリーということも念頭において、冷静に考えた判断したい局面にきています。

ズルズル相続すると「カネ食い虫」に

もう借り手がいないからと、坪単価を安くして売りに出す決意をしても売れず、大きく値下げをしたもののそれでも全く売れる気配がなく「塩漬け」になってしまうのは他人事ではないのです。

敷地に草が伸びるなど荒れてくると、隣近所から苦情がくるようになります。

近隣のシルバーセンターなどで草刈りをお願いする費用なども数万円は必ずかかり、バカになりません。

家の整備を怠り続けると「特定空き家」に指定され、固定資産税の額が6倍になることもあります。家をとりこわし更地にしたとしても固定資産税は高くなります。そこで家の骨格だけを残し200万程度かけて工事をするといった対策を講じている不動産オーナーもいます。

これからもただただオカネがかかる状態になり、金銭的には完全に『お荷物』になってしまうのです。

人口減少ア進み、地方の家や土地が売れなくなったこの時代。

こういった事態を避けるためにはきっちりとした準備が必要。面倒臭いから、考えたくないからといって
とりあえず「放置」すrのが一番の悪手です。

そのままズルズル策もなく相続することになりその物件がカネ食い虫になってしまいます。

大きな分岐点。相続か、放棄か

大きな分かれ道になるのが
そもそも土地を相続するのか、それとも物件が赤字を垂れ流すことを想定して
相続放棄をしてしまうか、である。

もし相続する予定の不動産が、赤字物件になるこ見込みがあるのなら
相続放棄も念頭に入れておいた方がいいでしょう。

相続か放棄かを判断するために

第一段階として、親が死ぬ前に、その不動産が売れるかどうかを確かめておくこと。
もしこの段階で売れないことがわかれば相続方位を選択肢として考えはじめたほうがいいでしょう。

空き家は社会問題化しているので、売るためのルートも徐々に整備されてきています。
例えば家いちば というインターネットサイトが話題。

空き家を所有者自らが売り出す掲示板のようなサイトで、
地方のいらなくあんった土地や家を10万円で売る、無料で譲るといった投稿が行われ
制約例も積み重なってきています。

自治体に寄付もできない

その家が売れそうかどうか、判断するための基準もある
家が立地しているのが
観光客が訪れる場所であれば民泊に利用できる可能性もある。

現在では、空き家利用促進のため、リニューアル、リフォームの相談にのってくれる業者も見つかりやすくなりました。

築年数が浅く、低コストできれいになる住宅ならば売りにだすことも可能です。
一方、どうやっても売れない物件も中にはあります。

そういした場合、次に考えられるのは自治体への寄付になりますが
これもなかなかハードルが高いのです。

よほど利便性が高く、何かに利用できる土地であれば別ですが
いくら無料で寄付するといっても、なかなか自治体は受け入れてくれません。

最近では、ついに有料で土地を引き取る業者も出てきています。

20万とか30万とかの手数料で不要な土地を引き取ってくれる業者ですが
法的にグレーな部分も相当あり、いつまで続くかわからないところです。

引き取った土地を実体のない法人名義にして、倒産させて消えてしまったり
身寄りのない高齢者名義にして誰も相続できないようにしたり、、、
今後、国側の規制が入る可能性は少なくないでしょう。

いかなる手段を用いても売れそうにない。
そこまで追い詰められたら
「相続放棄」も考える段階です。

相続放棄の判断基準

相続放棄をすべきか否かは
何を基準に判断すればいいのでしょうか。

まず、相続放棄とは
相続する資産の「全体」を放棄することになります。

一部だけを相続、その他を放棄などといった
いいとこ取りは認められてません。
全体の資産を総合的に見て判断することになります。

不動産と金融資産のバランス。
相続する金融資産が、不動産の維持、管理、処分コストを上回っていれば相続を
下回っているようであれば相続放棄を検討するということになるでしょう。

不動産管理コストとは
・固定資産税
・草刈りや住宅のメンテナンスコストなど維持コスト
・家屋の解体費
・マンションの場合は管理費や修繕積立金
などです。

また2015年には
空き家特別措置法が施行され、危険な空き家からは
固定資産税の優遇措置が外されることになりました。

相続すべきか、放棄するか
ひとつの目安となるのは
相続する資産に対して不動産の占める割合がどれくらいか。

2割をこえているようならば
不動産の維持コストが金融資産を食いつぶす可能性がある。
相続放棄も視野に入れて検討したほうがいいでしょう。

また、相続する金融資産が500万円以上あるかどうかも
重要な指標になります。

500万に満たない場合、
家屋の解体や固定資産税で
500万程度はすぐに飛んでいくケースが多いからです。

売れない土地から自由になるためには

相続放棄したからといって
すぐに「負動産」のプレッシャーから
簡単に解放されるわけではありません。

相続放棄が行われた後も
次に管理する人が決まる前
「管理責任」は相続人にあるとされます。

まだ法的な判例はないが
家が倒壊するなどして損害が生じた場合、
その責任は相続人が負わなければならない可能性があります。

相続放棄したうえで、
さらに管理責任からも逃れたい場合には
「相続財産管理人」の選任を申し立てる必要があります。

家庭裁判所が選任し、
弁護士などが就くことが多いやう割で、
管理人は放棄された財産のうち
売れるものは売却処分したえで、
土地の管理などの任を担うことになります。

この段階になって
はじめて管理の責任から自由になれるのです。

この管理人の選任申し立てには
約100万円の「予納金」が必要となります。

予納金は、相続放棄をしていても、
相続するはずだった財産のなかに
現預貯金があれば、そこから支払うことができるので
うまく活用したいところ。

首都圏の人間にとっても他人事ではない

相続か放棄か、
田舎に限定された問題のように思われがちだが
これから数年後には
都市部でも不動産価格が下落し、
首都圏在住の人間にとっても
他人事でなくなる可能性が高い。

そのときに
「相続」か「放棄」かを選べるよう
いまから準備をしておくことに損はないし
時間的に余裕のあるうちのほうが冷静な判断ができるでしょう。